ごく個人的な、夢のはなし
夢はいつか叶う、なんて言っても、
ただの励ましとか、
綺麗事のように聞こえるかもしれませんね。
あるいは、そのためにひたすら頑張れ、とか、
絶対あきらめるな、といった、
精神論が飛び出してくる気配を感じるかも。
でも、母の場合、
ある日、気がついたのです。
あれ?
今の仕事って、もしかして、
小さい頃の夢が叶っている? と。
小さい頃は、なれるかなれないか、
なんて現実的なことは、全く考えず、
自分が本当に好きなこと、やってみたいこと、
憧れることを、夢みます。
母の場合、
それは、お話を紡ぐことでした。
空想の世界を自由に広げ、
自分にとってわくわくするストーリーを描き出すことが好きで、
絵は下手だったけれど、
絵本のようなものを書いてみたり、
ノートに短編の物語をまとめてみたりしました。
でも、才能があるかもわからないし、
作家で生活できる人なんて、
一握りしかいない、と親にいわれ、
勉強や学校生活などの日常も忙しかったし、
いつしか、そんな夢を持っていたことも、
すっかり忘れ去っていたのです。